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学科主任あいさつ
本学科では、前身の土木工学科創設以来、半世紀以上の長きにわたり、都市基盤整備の計画、建設から維持管理に至る一連の過程に関わる教育研究を実施して参りました。その間、5000名を越える技術者を関連の業界や行政機関に輩出しておりまして、その実績については高く評価されています。現在、専門分野とつながりの深い建設業界を希望すれば、就職先には困らない状況にあります。このことは、本学科教員の誇りとするところでもあります。
土木工学科が創設された1967年は高度成長期真っ只中であり、急速な経済成長と人口増加に対処すべく、多くの都市基盤の新設や増設が求められた時代でした。その後の産業構造や人口動態の変化を経て、現在では、都市への人口集中は一応完了しています。むしろ、少子高齢化等々により、老朽化した都市をいかに持続させるかが問題となっています。温暖化を含め、多くの地球環境問題が都市起源であることが認識され、都市こそが解決に貢献すべきと考えられています。これらに加えて、多発する地震、風水害への備えなど、現在の都市には解決すべき問題が山積しています。
一方、現在、ChatGPTがホットな話題に上がっているように、データサイエンスに基づく技術が社会全般に浸透しつつあります。建設業においても、ICTの導入が必要不可欠になっています。例えば、国土交通省は日本各地にインフラのDXを推進するセンターを設置し、その普及に努めています。各建設会社は、ICT施工を発展させた独自技術の開発に努めています。さて、電話機はアナログの固定式から、携帯、現在はスマートフォンまで進化してきました。ただし、近い将来、スマートフォンに変わる技術が一世を風靡する時代がやってくることになるでしょう。つまり、現在から今後に発生するであろう都市に関わる様々な問題は、先に述べたように過去に経験したことのない新たな問題であるので、それを解決するための建設技術においても旧来のやり方では非効率であったり、そもそも対応出来ないものと予想されます。新たな時代に即した新しい考え方に基づく技術が必要となっています。その新しい技術ベースとなるものはやはりデータサイエンスに代表される情報技術であることは疑いのないところです。
こうした状況を鑑み、本学科では、「未来の都市創造と都市再生に貢献できる技術者の育成」をキャッチフレーズに掲げ、情報教育を大胆に導入したカリキュラムを実施しています。旧来の建設技術と最新の情報技術の融合させた能力を持つ卒業生を輩出することにより、今後の新たな建設業の発展に寄与できるものと教員一同決意している次第です。
都市創造工学科の今後の展開にご期待ください。
2024年4月1日
2024年度学科主任 木元小百合