バリアフリー」タグアーカイブ

ホーム対面乗換ができないなら

こういう方法もあるのね.

これなら,特急を改札のあるホームに着けられるし,乗換客に階段上り下りさせなくて済むし…

同じホームに2列車入れるのが面倒そうではあるが,増解結と同じ要領なわけやね.松山駅1番線の風景.

列車とホームの隙間に男児転落

各務原署や名鉄によると、列車は新鵜沼発豊橋行きの特急(6両編成)で、午後4時53分にホームへ到着。同5時2分の出発まで扉を開けて止まっていた。いったんは列車に乗り込んだ男児がホームへ出ようとした際、125センチ下に落ちた。そばにいた母親が腹ばいになり、男児が伸ばした手をつかんで引っ張り上げた。隙間は20センチほどだったという。

情報源: 列車とホームの隙間に男児転落、軽傷 名鉄新鵜沼駅 | 岐阜新聞Web

…えっ.これって新聞記事になるレベルの話なんだ,というのが正直な感想.まぁ,危ないことは危ないんだけどね.

うちの子供も列車とホームの間の隙間から下へ落っことしてしまったこと有り.

こういう設備があってもいいんだけど,コストアップになることは一切やらないよね.日本の鉄道会社.先進国のはずなんだけどね.

高速鉄道AVEのバリアフリーのナゾ

スペインの高速鉄道AVEは標準軌新線を300km/hで走行する.スペイン国内の都市間鉄道は,基本的には広軌なので在来線とは直通できないからだ.

もちろんいろいろ例外はあって,広軌の路線を改良して200km/h以上で走れるようにして「AVE」を名乗っている列車があったり,標準軌と広軌を直通できる列車もあったりして(…つまり,日本で失敗したフリーゲージですね),単純ではない.

さて,そのAVEだが,基本的には在来線ネットワークとは別の系統の交通システムを形成するので,ヨーロッパ式の低床ホームじゃなくて高床式のホームにして,列車の床面とホームとの間の段差を縮小して設計しても良さそうなものだが…

相変わらずの車両構造で…

相変わらずのたいそうな装置を使って車椅子の乗り降りをさせている.

LRVは完全フラットなのにねぇ…

#いずれ他国に乗り入れようとしているんだとは思うが.

後付けエレベータ

バリアフリー対応でエレベータを設置する際,新駅の場合は最初から設計すればいいが後付けの場合は設置に苦労する場合が多い.

この駅は高架化の時期が古い(昭和50年代)ようで,変わったエレベータが見られる.まずは改札から中二階へ.エスカレータの横のがそれだが…

なんだか奥行き方向が長い.

そして中二階からホームへ.ここもなんだか妙だ.

ホームのエレベータ出入り口はこんな感じ.つまり,エレベータはエレベータでも,斜行エレベータになっている.階段の幅が広くないと設置は無理だが,こういう方法もあるのかと感心.

大分県の中津駅だ.

ホームには古いエレベータ用の構造物もあるが,業務用の荷物取扱目的だったようで,このまま下に降りても客扱いができる空間には到達できない様子.そういうわけで,斜行エレベータ導入になったんだろうと推測.

いろいろとやり方があるもんだ.

 

NancyのBRT(TVR)バリアフリー編

Nancyで採用されたTVRは単なるバスベースのBRTに比べると,車内はともかく出入り口のバリアフリー度は高い.

単なる連節バスの場合,停留所の「プラットホーム」に車体を寄せるのには限界があるが,TVRはレールで案内されているので,単なる連節バスよりも隙間はかなり小さい.その分,単なる長いバスに比べてバリアフリー度は高い.

日本で単なる連節バスを「BRT」と呼ぼうという風潮があるが,バリアフリー度は一本レールの案内であってもTVRやトランスロールの方が優れている.いわんやおや,LRTもドアとプラットホームの間はいちいち乗務員が出てきて板を渡す必要のないレベルである.

乗客数が一定規模なら自動的に「BRT」になるわけではない.

 

NancyのBRT(TVR)内装編

製品としてのTVRの終息に伴い,今後どうするか注目されているNancyのTVR.基本的には連節バスベースの車両である.

今回はその内装編である.まずは出入り口付近.車椅子やベビーカー用の椅子のないスペースが確保されている.奥の連結部分はタイヤハウスが大きく,車椅子の通過は微妙な幅になっている.

タイヤハウスは巨大で,日本のノンステップバスのものとそう変わらない.一応荷物置き場になっているが,デッドスペースであり,Metzの3連節バスのタイヤハウスの処理の方がうまい.

運転席と客室は区切られており,運賃収受は完全に信用乗車を前提にしている.つまり,どのドアから乗ってもいいし,どのドアから降りてもいい.なので,車椅子であってもいちいち車内を大移動しなくても良いわけで,連結部分の通路が狭いことは大きな問題にならない.

LRTとほぼ同様のサービスを提供すべく,車内には超横長LCD表示器がある.現在位置が地図上に示されるなどの情報提供がされる.

信用乗車なので,乗車券(磁気カード方式)のリーダーがある.ICカード対応のものもある.運賃収受関係の機器類はこれだけ.

Metzの3連節BRT(停留所編)

Metzの3連節バスを使ったシステムが単なる「長いバス」でないのは,車両以外の部分がほぼ完全にLRTと同じシステムになっているからである.

例えばこれは停留所.両側の広告は近年日本でもおなじみになりつつある「JCDecaux」の文字が入っており,停留所の管理はこの会社の広告収入を原資にしていることがわかる.

設備的には,街灯,ゴミ箱,大きな屋根,椅子,切符類の券売機,駅名標,路線図,時刻表,電光掲示,プラットホームである.(メルシー病院前)

バスが到着するとこんな感じ.(ポンピドゥセンター前)

別の停留所でも,基本仕様は同じである.(ソルシー)

停留所に券売機があることからわかるように,事前に乗車券の購入が必要であり,車内には券売機類はなく,運転士も運賃収受には一切関与しない「信用乗車」が導入されている.

また,電光表示器があることからわかるように,バスの位置は管理されており,いつ来るかわからない,などということはない.

線路さえ敷けばLRTと寸分違わないシステムになっている.

ここまでするのなら「BRT」を名乗ってもいいかもしれないが,バスだけどこかから買ってきてきても,それは単なる「長いバス」である.画竜点睛を欠く.

 

Metzの3連節BRT(外から編)

フランス東部のMetzの三連節バス.全体像はこんな感じ.この写真は右側が前(運転席側).1両目が前後の2軸で,その後ろに後ろ側だけ車輪のある2両目,さらに後輪だけの3両目がつながっている.

ステアリングは1両目の前輪と3両目の後輪だけに付いているようで,1両目の後輪と2両目の後輪は固定のようだ.つまり,通常の連節バスの後ろに,さらにステアリングつきの3両目がくっついている形.

下の写真は運転席側.一方向にしか走らないので,運転席はここだけ.狭い専用道路を走っているが,コマが付いた自動操舵というわけではない.

「ホーム」と車体の隙間はこの程度.健常者にはほとんど問題ないが,車椅子が自力で越えられる隙間ではない.

ということなので,1両目の前のドアの下には,自動で板が出てくる装置が付いている模様.

こちらの写真は,後ろ姿.つまり,運転席の有無にかかわらず,外観はほぼ同じに設計されており,「LRT風」になっているということ.

エンジンは3両目の後ろ側から音が聞こえてくるので,この運転席風のスペースの下側に収まっていると思われる.

エンジン直近の1軸だけが動軸だとまともに走行できそうもないので,他の車輪が動軸になっていると思われる.低床式バスなので,床下に推進軸があるわけでもないため,エンジンで発電してモータを回す方法だろうと思われる.

 

Metzの3連節BRT(内装編)

日本では単なる連節バスを「BRT」と紹介しているようであるが,欧州では既に三連節バスが走り始めており,これを使ったBRTシステムが構築されている都市がある.

日本でも紹介が始まっているフランス東部のMetzの三連節バス.話題になりつつあるので,百聞は一見にしかず,ということで行ってみた.

通常は外側からの紹介が多いだろうが,写真整理の都合上,三連節バスの内装の紹介からである.外観の色は3-4種類あるが(緑青紫橙?),路線系統別に色分けされているわけではなく,どの色のバスが走ってくるかは決まっていない.

これは緑.前面を写しているように見えるが,実は後ろ姿である.

外観のアクセントカラーと内装のアクセントカラーは同じものが使われており,緑のバスの内装は緑系である.

下の写真は1両目後ろ側から2両目の中を写したもの.2両目は前の方にはタイヤがなくて床がフラットであり,椅子の下は空間が空いている.ここで盲導犬や介助犬が寝ていることも.

2両目の後部はタイヤの部分が出っ張っており,出っ張りの上に椅子がある.手前の円形部分は連結部分であり,ここに立っていると曲線通過時にぐるぐる回る.

3両目の一番後ろはエンジンがあったりする関係で一段高いところに5席並んでいる.手前のポールにはICカード式の乗車券のリーダーがある.

下の写真は(紫系のバスの)1両目の後ろから運転席方向を写したものである.手前の椅子左右2席ずつはタイヤハウスの上に配置されており,かなり「標高」が高い.タイヤが丸形なので,席が背中合わせになっている.ボックス席状にするためか,さらにその前の席についても「標高」が高い(タイヤハウスがあるわけではない).

左右の席間はかなり狭く,車椅子が通過できるような幅はない.通常の乗客についてもこの隙間を常々移動させるような設計ではないように見える.

丸形のタイヤハウスに席が背中合わせ…とは,こういう状態.無理矢理全席進行方向を向かせて,足の置き場に困る日本のノンステップバスよりはずっと居住性が高い.

車椅子スペースは1両目の運転席直後のドア付近に確保されており,かなり広い.この1両目のドアから出入りすることを想定している模様.写真中央奥の席はタイヤハウスの上に設置されており,席は進行方向と逆向きである.

わかりにくいが,写っている2席の向こう側は運転席であり,運転士が運賃収受等をするような設計には全くなっていない.日本のJRの電車のように客席と運転席は完全に分かれている.

収容定員は,座席40,立ち席115,車椅子2の模様.製造メーカーはベルギーのVAN HOOLというメーカで,ExquiCity 24というタイプの模様.

動力源は通常のディーゼルエンジンの他,天然ガス仕様,トロリーバスとのハイブリッドタイプ,燃料電池,電気運転等々様々なものが準備されている模様.

残念ながら,日本の大型車メーカでは真似できないねぇ.

やはり日本の公共交通は,車両の面でも遅れているかも.

 

マンハイム駅の駅前広場の使い方

マンハイム駅の駅前広場の夜景.

手前の大面積を占めているのは,路面電車乗り場兼バス乗り場.同じホームにトラムとバスがやってくる.バスはもちろん,長いバスである連節バスもある.あ,いや,国交省風にいえばBRTかw

奥はタクシー乗り場であるが,実は1/3くらいはバス乗り場である.ということで,”日本の国交省基準では”,広場の全面積が公共交通に割り当てられており,私的交通は駅前広場には入れない.

じゃぁ,一般車はどこに寄せるのかというと,この広場の地下が駐車場兼車寄せになっている.

上下移動のない一等地は公共交通というポリシー,見習いたいもんだねぇ.