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日本政府さん,観光には公共性があるが,公共交通には公共性がないと判断してしまう

日常生活で使う電車やバスへのコロナ対策支援は140億円だが,GOTOキャンペーンなる物で観光行等への支援は1兆7千億を支出しようとしている模様.

その差,120倍超.

なんか政策のバランス感覚,いくら何でもおかしくないか?
どっちも赤字補填だぞ

日本政府にはまともな政策立案者がいなくなってしまったのか?

 

日本政府さんへ:出かける前は忘れずに

「GO TOキャンペーン」をするらしい.例の旅行券をばらまくという話のことである.

コロナ対策として予備費を10兆円も準備するらしいので,「GO TO…」にいくら,「お肉券」にいくら,「お魚券」にいくら…と積み上げてゆく算段はできているんだろうなぁ.

「GO TO」には,「〜に行く」という意味の他に,「(お金が)〜にまわされる」という意味もあるらしいので,実は旅行キャンペーンであるとともに資金循環キャンペーンでもあるという,ダブルミーニングになっている模様.

さて,「GO TOキャンペーン」は1.7兆円,事務手数料だけで3000億円(つまり計2兆円?)を費やす大型対策の1つだが,その”お出かけ”,ちょっと待った.

かつてジャック・ニクラウスが「出かける時は忘れずに」と,たどたどしい日本語で“米国急行”のカードをPRするCMがあったのを覚えてるだろうか(話が古いって?).今回は「GO TOする前は忘れずに」である.

観光行動を促す以前に,日常生活のための交通事業が危ない状況に陥っており,そっちの方が先だ.観光はもしかしたら「不要不急」の範疇なのかもしれないが日常生活は「必要急行」だ.「Daily EXPRESS」だ.

予備費をあちこちに気前よく蒔けるのなら,GO TOする前は忘れずに「Daily EXPRESS」への利用枠の設定も必要だ.当然,予備費確保するよな?

#急げ,関係各部署.(こういう言い方するのは気が引けるが)東北の震災以来のタイミングだ.東日本大震災の際に予算確保しようともしなかった皆さん,再び時機が来たんだよ.

#今週末もオンライン会議がある模様.
https://www.jcomm.or.jp/covid19/forum/

#ようやく一部の野党が,”地域の交通事業者への支援が必要” とテレビの討論番組で言い始めた模様.

日本政府さん公共交通支援額をうっかり2桁間違えてしまう

第二次補正予算の公共交通支援の内訳の情報によると,先日の分析通り,メインの支援は政策金融公庫や持続化給付金,雇用調整助成金他で借りるなりしてくれということのようで,やはり例のクーポン券の束のようなのが支援メニューのようである.

それよりも驚いたのが,3枚目の右上の金額である.

「140億円程度」

えっ?! 2桁金額間違えてませんか?

クーポン券の項目だとそんなもんになるのかもしれないが,通勤通学需要の減退,出張需要の消滅,インバウンドの消滅,書き入れ時期の観光需要の消滅で,公共交通事業はかなり痛手を受けてるはず.(そして,当面それは続く.)

140億円? ご冗談でしょう.自動車社会の米国ですら2.7兆円ですよ.

1枚目の「基本的な考え方」のところにちゃんと書いてるじゃぁないですか.

    1. 緊急事態宣言下も含め,感染拡大防止策を講じながらサービス提供が継続されることが必要.
    2. 需要減に伴う減収から財務面での事業存立基盤が揺らいでいる事業者について,事態収束後にサービスの提供が困難となる事態を回避することが必要.
    3. 事態収束後は,十分な感染拡大防止策を講じつつ,ビジネスモデル面も含めた円滑な移行に向け準備することが必要.

140億円でこれが実現できる? ご冗談でしょう.

一般的な商売なら,借金してでも良好な事業をすれば事業の成長があって,借りた金以上のもうけが出るかもしれないが,日常生活を支える交通事業の場合は,事業が軌道に乗ってもせいぜいトントンレベルで,借金返せるほど儲かるわけじゃないんですよ.

世の中の交通事業者が巨大鉄道事業者ばかりじゃないですからねぇ.日本政府さん.

#なお,物販や不動産業で企業グループ全体を支えている交通事業者も多いと思うが,物販→Eコマース,オフィス需要→テレワーク…により,今後もじりじりと収益源を失い続ける可能性アリ.

 

日本政府さん未必の故意でバス会社を破綻させてしまう

何もしないよね.タクシー会社に続いて,バス会社が破綻しはじめてるというのに.

いや,もちろん「何かやってます」アピールしてるのは知ってるけど.

こういうサイトがあるけれど,「事業者の取り組み」「自治体の取り組み」はあっても,”政府の取り組み” は無い模様.

政府の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用事例集」なるものを見ると,いろいろやってますアピールはあるものの…

No.12 公共的空間安全・安心確保事業
 検温設備導入しても客増えない.その検温誰がするの?

No.23 密集軽減のための輸送力増強事業
→ スクールバスにしか使えない.そもそも休校が多くてスクールバス動いてない.

No.24 公共交通応援事業
→ 三密を避けるためにしか使えない.そもそも利用が減っていて客が少ない.
→ 収束後のサポートにしか使えない.そもそも利用が減っていて客が少ない.

No.25 地域公共交通機関の高度化支援事業
→ 収束後の設備投資にしか使えない.そもそも設備投資どころの状況では無い.
しかも,経費の一部だけしか支援せず,設備投資の中核資金にはならない.

No.29 駅乗客数などの解析、可視化事業
→ 人の行動を可視化して外出行動の変容をしてほしいのは行政側であって,公共交通の支援策のふりをしているが支援策では無い.

No.38 必需物品供給事業
→ 公共交通の支援メニューとしてあげられているが,中身は自治体の支援メニュー.

No.47 学校給食関連事業者等への応援事業
→ 「スクールバス」の文字が登場するが,なぜスクールバスが食育なのかがわからない.

No.48 金利、保証料などの金融面での支援事業
→ 「
日本政策金融公庫等の他の支援施策の対象とならない又は超える部分について、利子補給や保証料の助成など金融面での支援」なので,この制度で主体的に公共交通を救う気は無い模様.

No.68 寄付等の応援に応える地域づくり促進事業
→ 要するに「ふるさと納税」だろ.

No.69 地域の魅力磨き上げ事業
No.71 観光/シティプロモーション活動事業

→ 観光PRの支援メニューのようだが,日常の公共交通を支えるものではない.

ちゅうことで,「公共交通ではない一般の営利会社と同じ支援策を使ってね.もちろん,まずは銀行から金借りるなりのことはしてね.」ということを間接的に表現したアピールでしかない.

この政府の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用事例集」なるもの,よく観光地などで配られている(ほとんど使い道がない)割引クーポンの束に見えてしょうがないんだが.この交付金は総額1兆円規模らしいが,全部公共交通に突っ込んでも自動車社会の米国の半分にもならない(全部突っ込めないけど).

このままだと,まだまだバス会社や鉄道会社が破綻してゆくぞ.

 

#未必の故意などではない,と言う反論があるかもしれないが,もしそうなら,現況把握すらできていないということかも.「~地域公共交通の確保維持への積極的な活用に向け、情報交換を始めます~」などと今頃いっている時点でToooooooooooooo Late

#やっとマスクきた.でも,もう間に合ってます.

さき細りのうた

おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての会計に限りがあるのならば
海は死にますか 西は死にますか
北はどうですか 東もそうですか
おしえてください

私は此の頃 破綻について考えます
誰もが等しく 客を失う悲しみについて
走る苦しみと 終わり無い悲しみと
払いの苦しみと 間引く悲しみと
現在の運営と

答えてください
この世のありとあらゆるものの
すべての事業に 約束があるのなら
バスは死にますか 汽車は死にますか
客が去る様に 錆が来る様に
みんな逝くのですか

わずかな生命の
きらめきを信じていいですか
250億ドルのような 望みといったものを
去る人があっても 来る人はなくて
欠けてゆく月は いつか満ちるのか
なりわいの中で

おしえてください
この世に生きとし生けるものの
すべての会計に限りがあるのならば

空は死にますか タクは死にますか
船は死にますか 鉄は死にますか
港は死にますか 駅は死にますか
私の大切な 故郷もみんな
逝ってしまいますか

もらって使おう10万円,まわせ経済

いろいろあって,Too Lateではあるが一律10万円の支給が決まった.

日々の生活が困窮しつつある人にとっては,命をつなぐ10万円.

じゃぁ,その他の人は?

受取を辞退する,とか寄付する,とか,そういう意思表明する人もいるようで,個人の勝手と言えばそれまでだが,支給の主旨が理解されていないかも.

一律10万円の主旨は「早期支給」「生活支援」のほかに「ヘリコプターマネー」の性格もある.つまり,「もらって使おう10万円,まわせ経済」である.

手元にやってきたら,「コロナ収束したら旅行券と合わせて旅行に」などと言わずに,四の五の言わずに早々に使ってしまいましょう.できれば国産品に.身近なお店とかで.旅行はその時にまた考えれば良いじゃないですか.きっとストレスたまっているので,行きたくなるはず.

ここ1ヶ月ほど,魚屋に行くと結構おいしい高級な魚介類がお手頃価格だったりする.その他の高級食材もお手頃価格かも.この際,買っちゃいましょう.

使いもしないものを買うのはゴミを増やすだけなのでおすすめしないが,長年買うかどうか迷っているものは,この際買っちゃいましょう.

オリンピック見越してテレビとかレコーダーなんか既に大量に増産してて在庫処分に困ってるかもしれません.割安かもしれません.日本ブランド品なら輸入メーカー品よりは国内にまわる金が多いかもしれませんので,この際,買っちゃいましょう.

あぶく銭です.ヘリコプターマネーです.使っちゃうことを前提としたお金です.ならば,さっさと使っちゃいましょう.

※ 満員電車が心配な人は,有料特急とか新幹線通勤してみるという使い方もあるかも.どっちも空いてます.

JR北海道一時帰休

JR北海道が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う鉄道需要の減少を受け、社員を一時的に休ませる「一時帰休」に踏み切ることが14日、明らかになった。

情報源: JR北海道、5月にも一時帰休 グループ初 さらに減便も 新型コロナ:北海道新聞 どうしん電子版

分割民営化さえすれば,あとは何も仕事をしない東洋の某国の監督官庁がある模様.

なお,自動車社会の権化であるはずの米国は,新型コロナ対策として,公共交通機関の維持に3兆円近くを投入する模様.

まさにToo Little, Too Late

見直される貨物列車

国交省によると、18年4月の貨物自動車運転手の有効求人倍率は2・68倍で、平均の1・35倍を大きく上回る。ドライバーが確保できないことから、鉄道や船舶の輸送へシフトしているという。

情報源: 神戸新聞NEXT|神戸|見直される貨物列車 背景に環境配慮、ドライバー不足 かつては不要論も

…とは言え,貨物列車が走る在来線のインフラはあまり設備投資がされていないのが実態であり,リンク先のような非常時における輸送ルートを確保するにはいくつかの懸案事項がある.

  1. 貨物列車を運行するために必要なレベルの在来線設備は,必ずしも旅客運行に必要なわけではない.ということで,その設備維持の差額分を公費で補填するなどする必要がある
  2. 単線区間の交換設備や複線区間でも待避設備を設けておかないと,足の遅い貨物列車を運行しにくかったり,列車遅延時の対応がしにくい.旅客主体の鉄道会社に任せておくと,固定資産がかかるのですぐ撤去してしまう.税金の部分を含めて,維持費を公費で補填するなどする必要がある.
  3. 日本海縦貫線や山陰線などでは,単線,急曲線,勾配などの難所があったりするが,放置しても改善される見込みはない.かといって,貨物会社が改良できる力も無い.ということで,公費による路線改良は必要.これにより輸送力アップと輸送の信頼性(遅延耐性,悪天候耐性など)が向上.
    • 我が国の在来線改良メニューはかなりしょぼいが,難所区間をバイパスするようなトンネルを青函トンネル方式(スーパー特急方式)で(法的には新幹線の部分整備として)建設するという方法はある.
    • この方法なら,全線着工の難しい日本海側での新幹線整備に部分着手できるとともに,貨物列車の輸送力向上,既存の在来線特急の160km/h程度までのスピードアップが実現できる.
  4. 青函トンネルや関門鉄道トンネルが結構老朽化しているので,堀直し必要かも.
  5. 非電化区間と電化区間を直通運転できるような機関車の開発(英国Class 800の機関車版)と運用.電化路線間に短い非電化区間を挟んで運行するようなケースや短い非電化の支線に乗り入れることを想定.
  6. 特急貨物電車の交直流対応版の開発(俊足化).
  7. 貨物列車へのLoad,Unloadの拠点の性能upが必要.末端部分はトラックへの依存が続くので,異なるモード間の接続を容易にするとともに,倉庫機能も必要かも.インターチェンジ付近に最近増えているEC物流倉庫の鉄道版?
  8. 在来線による貨物輸送の速度には限界があるので,(重量物は難しいが)軽量で高速性を要求されるようなものは新幹線インフラを使った輸送も必要.

…といった辺りか?

いずれも,放っておいても自由経済メカニズムが解決してくれるようなものではないので,政府の主導的な政策実施が必要ですね.

米公共交通機関に250億ドル_新型コロナ対策で

トランプ米政権は2日、新型コロナウイルスの感染拡大によって深刻な影響を受けている公共交通機関に対し、総額250億ドルの緊急支援金を交付すると発表した。

情報源: 米、公共交通機関に250億ドルの支援金交付 新型コロナ対策で – ロイター

自動車社会で公共交通は影が薄いと思われている米国でさえ,米国ですら,米国だに,新型コロナ対策で支援するらしいぞ.

いっぽう,東洋の某国は地方の鉄道会社に経営状態がよろしくないのは「オマエの努力が足りないからだ」怒っている模様.
まさに「Too Little, Too Late」
現政権は国民の生命と財産を守れるか

感染終息後に高速道路無料化へ

政府が新型コロナウイルス感染拡大終息後の経済対策の一環として、高速道路無料化を検討していることが25日、分かった。

情報源: 感染終息後に高速道路無料化へ 政府検討、観光業を支援 – 産経ニュース

収束後の経済対策は確かに考えておかないといけないが,”高速道無料化” っって,前政権がそれに近いことやって,全国各地で渋滞発生して物流が大変なことになったのを忘れてるんだろうなぁ.

パリ協定のことも忘れてるし.

高速道無料化するなら,新幹線や特急の特急料金も無料化でお願いします.

 

なお,今のところ飲食業や観光業への影響しか気づいていないようだが,新型コロナウイルスによる景気減退は世界的なものになってきているので,その程度の対策では日本の景気が立ち直れないほど疲弊しきっている可能性あり(現時点の話では無い).

1930年代の世界恐慌の後,どうやって不況を克服したか,今一度おさらいしておくのが良いと思う.疲弊しているかもしれない金融の救済策,経済を回しながら雇用を生みつつ新世代用の社会資本を整備する策,失業が増えているかもしれないので民間企業における雇用を促進する策,失業者の生活支援と雇用促進,あたり?

今回のコロナ騒動で明らかになったのは,広域的な国際的分業体制の脆さ.”選択と集中” は平時なら効率的だが,いったん障害が起こると広範囲に影響が出る.東日本大震災でも直面した課題だ.