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JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その6)

情報源: 大阪・関西万博 会場もよりの桜島-新大阪間に直通列車検討 JR西日本 – 毎日新聞

地下鉄の話に戻る.続きである.

JRが直通電車を走らせようと,P&R駐車場を作ろうと,最後はバス頼みになる.海上の埋め立て地なので,ちょっと離れてる駅から徒歩,という作戦も使えない.平均6.7秒おきに(つまり,続々と)切れ目無くバスがやってくる状態になりそうで,道路の負荷も心配だが,ターミナル施設の処理能力の方がもっと心配である.

バスの負荷を減らすには,もとの話に立ち戻って,地下鉄の能力upを考えるのが正攻法だろう.

このサイトでの試算のセッティングは次のようにしていた.

地下鉄中央線の輸送力が鍵になりそうだが,車両が今のままなら定員820人(6両),路線自体はATC化されており御堂筋線などと同じ仕様のようなので,頑張れば3分未満の間隔でもいけそうだが,折り返し能力の問題もあるので,3分間隔としてみる.詰め込み具合は,行楽客を199%詰め込むというのは非現実的なので,京阪神圏の路線整備の目安の150%に設定してみる.

820人/本×(60分÷3分/本)×150%=2.46万人/時

これを,増便・増結することを考えてみよう.

まずは,増便.1970年の大阪万博の際には,地下鉄御堂筋線が延伸されて2分30秒間隔で運転されたようである.終点の万国博中央口駅は引上げ線2線付きの2面1線(8両編成対応)で電車が処理されたようだ.

さて,2025大阪万博の夢洲の地下鉄終点駅はどのような配置になるのかは定かでは無いが,1km程度の直線は確保できそうなので,引上げ線2線付きの2面1線駅の整備は不可能では無さそうである.ということで,地下鉄中央線の終点駅はかつての万国博中央口駅と同様のものの整備はできそうである.

次に2分30秒の件であるが,御堂筋線のATCの導入は1970年の万博輸送に合わせて導入されたもののようで,逆に言えば2分30秒運転にはATCは必須ということでもあろう(単なるATSで2分間隔運転していた国鉄阪和線というのもあったが…).中央線にもATCが同時期の1970年の万博輸送に合わせて導入されているので,基本的なインフラは御堂筋線と同じようである.

ということで,”変電所の容量が確保できれば” 少なくとも2分30秒運転はできそうである.では,少し計算を修正してみよう.

820人/本×(60分÷2.5分/本)×150%=2.95万人/時

輸送能力が20% upした.バスの本数も再計算してみると…

バスに要求されるピーク時処理能力: 6.3万人/時 −2.95万人 −0.06万人=3.29万人/時
バスの本数: 3.29万人/時÷70人/台=470台/時
バスの間隔: 3600÷470=7.7秒/台
バスのバース数: 2.5分/台÷6.7秒/台=19.5

ちょっとだけ改善した.つづいて,増結だ…つづく

 

 

JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その5)

情報源: 大阪・関西万博 会場もよりの桜島-新大阪間に直通列車検討 JR西日本 – 毎日新聞

6.7秒問題以外の大事な話の続きである.

バスはどこからやってくるかというと,1つは桜島駅からのシャトルバス(本当に桜島駅がいいかどうかは要検討,USJ駅の方がいい可能性もあり).

そのほかのバスの始発地としてはパークアンドライド駐車場.
この記事によると,駐車場は「計5カ所あるが、大阪市内は舞洲1カ所のみ。そのほかは阪神高速湾岸線近くの堺市や兵庫県尼崎市のほか、同県伊丹市の公共施設の土地などが候補に」とある.

会場直近の駐車場(もしかして舞洲?)は完全予約制にしないと,そこを目がけて続々と自家用車が集まってくることになり,周辺の道路は大混乱必至である.(完全予約制でも,自家用車は朝の開場時間に合わせて続々とやってくるので,会場周辺道路の渋滞の原因になる可能性アリ)

そのほかのP&R駐車場からシャトルバスというのは,まぁ概ね妥当だが,その後に書いてある担当者のお話…「可能な限り会場近くでパークアンドライド用の駐車場を設けたい。今後、土地の確保に向けて、調整・交渉に動いていきたい」

ん?
そのフリンジパーキングへやってくる
自家用車の引き起こす渋滞のことは考えてる?

会場近くにP&R駐車場を設けるということは,会場近くまで自家用車が集まってくるということなので,その自動車は朝夕に都心を突っ切ったり,会場近くのP&R駐車場周辺をうろうろしたりすることになる.

大阪(および周辺)の人はもう忘れただろうか.かつてUSJが開業したての頃,まだ自家用車利用の扱いにUSJも行政も慣れていなかった頃,阪神高速淀川左岸線も無かった頃,阪神高速には「USJ渋滞」があり,休日には湾岸に近づいてはいけないと言われていたことを.

大丈夫?

万博輸送の話は,まだつづく.地下鉄の話に戻ろう.(つづく)

#USJの駐車場とも連携しておかないと,万博目的でUSJの駐車場に車を入れようとする輩が続出する可能性あり.

JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その4)

情報源: 大阪・関西万博 会場もよりの桜島-新大阪間に直通列車検討 JR西日本 – 毎日新聞

ところが,新大阪から直通電車で桜島駅に着いた客の旅はまだ終わらない.桜島駅から万博会場までは道路の最短ルートで約5km.港湾地区のトラックの路駐を避けるなら約6km,渋滞がなければ10-15分,渋滞が発生すれば(経産省の試算では夢舞大橋の混雑度は1を越えるので,ピーク時には渋滞する可能性大)小一時間かかる.

その区間をシャトル「バス」で輸送するようだ.そう,バスである.つまり,桜島まで電車で来ても,その客は最終的には「バス」客に変身するのである.

毎時7200人運ばれてくるとして,70人乗りのバスだと,約103台のバスが必要である.

忘れてたが,桜島駅には環状線から直通してくる電車が15分ヘッド(7200人/時),西九条-桜島間の区間便も15分ヘッド(7200人/時)で運転されている.合計14400人/時.

港湾地区への通勤輸送やUSJへの客の輸送用だ.USJ客と万博客は同じ時間帯の客の可能性が高いが,万博客のピークと通勤客のピークは何とかずらせると信じて,合計14400人/時の半分を万博輸送に振り向けられたとする.

そうすると,桜島-万博間のバス輸送能力は7200+7200=14400人/時必要だ.都市交通の教科書ならLRTか通常の鉄道を敷きましょうというレベルの客数だ.70人乗りのバスで約206台.結局バス客になる.

バス206台=14400人分だけ地下鉄中央線が空くかというと,まぁそんなわけにはならない.

新大阪-(地下鉄経由)-万博会場だと,概ね40分ほど(数分ごと).

新大阪-(直通電車)-桜島-(バス)-万博会場だと,直通電車が8+7=15分くらい?,10分乗換,バス15分として,概ね40分ほど(15分ごと).
確実に早く着けるわけではなさそう.

結局のところ,JRの直通電車は,バス便の走行距離短縮に役立つということになりそう.都心などを横切ってくるバスを少なくして都心の渋滞を軽減したり,バスや運転士の総拘束時間を減少させるることには役立ちそうだが,地下鉄の混雑問題を解消する,というレベルではなさそう.

つまり,万博会場での6.7秒おきにバスが到着するという状況は改善されるわけではなさそう.どうする?

万博輸送のかなりの部分を最終的にバスが担うという点では,実は6.7秒問題以外にも大事な話があるんだが…(つづく

JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その3)

情報源: 大阪・関西万博 会場もよりの桜島-新大阪間に直通列車検討 JR西日本 – 毎日新聞

続きである.

JRが新大阪-桜島間に何本の臨時列車を走らせられるかだが,この時期までに北梅田(仮)駅が開業しているはずなので,新大阪から北梅田までは複線.その先が問題で,北梅田からは環状線の外側に貼り付けられた単線の貨物線頼み,西九条駅構内に交換設備があり,構内を抜けると再び複線である.

ということは,ネックは北梅田-西九条間の約3.3kmの単線区間ということになる.北梅田駅はほぼ大阪駅と同じくらいの位置なので,大阪−西九条間の環状線の所要時間を参考にしてみると,約5-6分.ということで,北梅田-西九条間も5-6分といったところか.

分岐器と信号機の取扱時間を1分と見込んで片道6−7分,往復なので2倍して12-14分.これが1時間の中に何組入るかというと,4-5組.つまり毎時片道4-5本というのが現有設備の限界ということになる.

毎時4−5本の内,関空特急が2本,南紀特急が1-2本走るので,残りは1本.南紀特急が走らない時間帯ならもう1本.つまり,せいぜい毎時2本.これが新大阪-桜島間直通列車に割り当て可能な本数ということじゃなかろうか.(しかも貨物列車が通る場合には明け渡す必要あり.)

じゃぁ,この毎時2本で何人輸送できるかだが,環状線と同じ車両の8両編成を使うとすると,編成定員約1200人なので,1.5倍詰め込んで1800人.毎時2本で,3600人/時.

ピーク時に必要な観客輸送能力(6.3万人/時)の6%弱といったところか.
(「救世主」ではなさそう…か?)

環状線の外回り線路を活用したいところで,福島駅南西方の阪神電車本線を越えるあたりで環状線外回り線から貨物線へと片渡り分岐器を入れたとすると,単線区間は半分ほどの距離になる.単線区間の所要時間を3分として計算し直すと,毎時片道7.5本になる.関空特急と南紀特急に3本明け渡すと4.5本になり,15分毎運転くらいは運転できるかなぁ?

そうすると,輸送能力は7200人/時になり,ピーク時に必要な6.3万人の11%あまりになる.
(救世主にはなりそうもないが,猫の手くらいにはなる?)

ところが…(つづく

JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その2)

情報源: 大阪・関西万博 会場もよりの桜島-新大阪間に直通列車検討 JR西日本 – 毎日新聞

続きである.

経済産業省の3年前の資料によると,一日の来場者数30万人(たぶん最大)を想定し,地下鉄中央線の延伸を延伸して6両編成の電車を3分間隔で199%まで詰め込んで輸送し,此花大橋と夢舞大橋を6車線まで拡幅すると,シャトルバス692台でピストン輸送すれば輸送できるらしい.
夢舞大橋は既に最初から6車線で設計施工してある模様.)

このwebサイトによると,「大阪市の基本計画によれば」(…探してみたが,見当たらない)来場予想2800万人に対して,1日最大28万人,ピーク時5.9万人/時の輸送力が必要らしい.40%が鉄道利用で,ピーク時2.4万人/時を輸送するらしい.

じゃぁ,3000万人なら,ピーク時6.3万人/時の処理が必要ということか.

地下鉄中央線の輸送力が鍵になりそうだが,車両が今のままなら定員820人(6両),路線自体はATC化されており御堂筋線などと同じ仕様のようなので,頑張れば3分未満の間隔でもいけそうだが,折り返し能力の問題もあるので,3分間隔としてみる.詰め込み具合は,行楽客を199%詰め込むというのは非現実的なので,京阪神圏の路線整備の目安の150%に設定してみる.

820人/本×(60分÷3分/本)×150%=2.46万人/時

あんまり数はさばけそうに無いが,0.06万人/時は船で輸送したとすると,残りはバスである.

6.3万人/時 −2.46万人 −0.06万人=3.78万人/時

これをバスで運ぶとすると,仮に70人/台として…

3.78万人/時÷70人/台=540台/時

…ということで,ピーク時には540台/時くらいのバス便が必要である.6.7秒に1台のバスが走ると言うことやね.遠くから会場まで運ぼうとすると,必要なバスの台数はもっと増えて,経産省の資料とかwebサイトに書かれているように,大阪府下のバスの半分をかき集める必要があるということになる.

まぁ,そこは実はあんまり問題じゃないと思ってましてね.
(でも,かき集めるのはしんどいかも)

ピーク時には540台/時のバス便というと,自家用車換算では1000台分程度になるので,ほぼ一般道1車線を消費してしまう.会場からの回送便も必要なので,2車線をバスだけで消費する.

つまり,橋を4車線から6車線に増設してもバスだけで消費ということになる.万博会場への物資輸送やIRへの輸送,物流ターミナルへの出入りは別途あるので,道路の能力はギリギリということになりそう.増設分は全てバス専用レーンでもいいレベル.

まぁ,そこも実は切実な問題じゃないと思ってましてね.
(車線増設さえしておけば,ピーク時間帯の1-2時間だけ,物流と自在搬入を制限すればOK ?)

6.7秒ごとに到着するバスを処理するのが実は大問題じゃないかと思ってまして,(どんなバスを使うのかにも依るが)バス客が降りきる(あるいは乗り切る)までに10秒以内じゃ無理で,2-3分は見ておかないといけないんじゃないかと思う.中の2.5分と言うことにして…

2.5分/台÷6.7秒/台=22.5

つまり,同時に20-25台くらいのバスが停まれるような巨大バスターミナル(ちなみにバスタ新宿は乗車用12台,降車用4台)が必要かも.ここらへんは,乗降に何秒かかるかによる.

このバース数だと,一見して空きバースを見つけるのは困難なので,次々と到着するバスに自動指示するような信号システムが必要かも.

…とは書いたが,6.7秒間隔のバスって,現実的なんだろうか?

まだJRの話に到達してないな.(つづく

 

JR新大阪-桜島間直通列車は大阪万博の救世主か?(その1)

情報源: 大阪・関西万博 会場もよりの桜島-新大阪間に直通列車検討 JR西日本 – 毎日新聞

このお話.コロナの話でそれどころでは無い状態だが,輸送能力不足が懸念されている.

新型コロナパンデミック→世界恐慌レベル不況,という状況に突入しそうだが,そうなると,そもそも世界中からお客を集めるという21世紀大阪万博とか,その後のインバウンド狙いのギャンブル施設は成立しないんじゃないかと思い始める今日この頃.

海外旅行というのは,生活に余裕があるときにするものなので,アフターコロナの世界は(一部の動きの変な国はともかく)みんな貧乏になっていて,インバウンド需要消滅の可能性あり.

さて,そういう観点は横に置いといたとして,果たして標記の直通列車は万博輸送に役に立つのかというチェックをしてみよう.

規模の小さかった花博はミニ地下鉄とバスで十分対応できたし,ポートピアもあんまり大きくは無かったのでポートライナーとバスでOKだった.

愛知万博はリニモという交通手段が注目を集めたが,あまり輸送能力は高くなかったので,JR→愛知環状鉄道というルートで,最寄りの八草駅からバスといった方法もあった.P&Rもしてたっけ? 博覧会の規模としては花博とあまり変わらない.

1970年大阪万博はというと,地下鉄御堂筋線(正確には北大阪急行の臨時路線延伸)と阪急千里線とでじゃんじゃん輸送していたし,小一時間くらい歩く気力があれば国鉄駅や阪急駅も使えたので,概ね十分な客の輸送能力があった.客の総数6400万人.

*–*

じゃぁ,2025年の大阪万博はというと…地下鉄中央線の延伸とバス輸送と,あとは船? ヘリコプターがどうのこうのという話もあったっけ?

まずは,簡単なあたりから.

ヘリコプターなどの空からの輸送については,ごく一部の忙しい人の輸送には使えるかもしれないけど,数が捌けない.ということで,話題づくりにはなるが,主たる輸送にはなり得ない.テレビで「切り札!」とか言ってたと思うが,どんな弱い切り札やねん.

埋め立て地なので,海上輸送が使え,船による輸送も計画されていたかと思うが,100人乗りの船を10分間隔で運行しても600人/時にしかならないので,ゆったり落ち着いて会場入りしたい人向けの隙間交通にはなりそう.

想定来場者総数3000万人,ピーク時には,1時間で6万人くらい輸送したい模様.甲子園の観客輸送みたいな数字やな.阪神電車に相談に行くのが早道かも…(つづく

 

進む鉄道の自動運転

近年はJR各社が相次いで自動運転の走行試験を実施。国土交通省も実用化に向け、国を挙げて技術向上を図る。

情報源: 進む鉄道の自動運転 JR各社が相次ぎ試験、人手不足背景(1/2ページ) – 産経ニュース

子供の憧れの職業の一つが,消え始めているということか…?

運転が簡単そうな路線(…といっては失礼だが)は「ちょっと練習すればオレでも運転できるかな」などと思ったりするので,割と簡単に自動運転化できそうだ.

けれども,「オレが運転したら脱線転覆させて列車を谷底に落とす自信がある」的な路線もあり,こういうところは職人技的運転で,当面は自動化無理かも.こういうやつ(↓)

えーと,鉄道の運転を自動化したら,人件費の分,運行経費が低下するはず.タクシーを自動化できたら運賃半分くらいに出来るなんていう話もある.なので,鉄道の運転を自動化したら,その分を列車本数増に充ててほしいところ.

ローカル列車の自動運転化で本数確保が理想だが,ローカル列車は運転の自動化そのものよりも運賃収受の方が問題になりそう.科学技術的な問題というよりは社会的問題に近いかなぁ.

#自動運転に最も近い鉄道は,実は新幹線だったりする.減速→停止時はすでにほぼ自動化されているし,加速も許されている最高速度まで達すれば自動で加速が止まるし,速度を一定に保つ装置もあるし,巡航時の安全確保は人間の神経頼みではない.(寝てても駅まで安全に達してしまったことが何度かある…と書いたら怒られるか)

 

バス来ねぇ

(その1)学外の会議に出るために,大学最寄りの「産業大学前」から近鉄線に乗るべく「東花園駅前」行きのバスに乗ろうとした.

以前なら「瓢箪山駅前」行きのバスが昼間なら毎時8本,平均7分半ごとにやってきたので,ほぼ待たずに乗れた.

2限目が終わり,12時半過ぎにバス停にゆくと…バス来ねぇ.15分も間隔が空いている.何じゃこりゃ.

急遽乗る方向を変えてJR駅方向に向かうバスに乗って全体の経路を変更.とほほ.

=*=*=*=*=*

(その2)雨が降っている.家に帰るために「産業大学前」からJR線に向かうバスに乗ろうとした.午後8時台.本数は多くはないが,しばらく待てば乗れる時間帯…だった.以前は.

バス停に行くと,この時間帯に1本あったよな…というあたりのバスが時刻表上にない.晴れてれば歩いて駅に向かうが,雨が降っているので,待つことにする.

5分…バス来ねぇ.
10分…バス来ねぇ.
15分…バス来ねぇ.
20分…バス来ねぇ.
25分…バス来ねぇ.
30分…バス来たが,行きたい駅とは違う方向のバス.

待つこと約35分.やっと来た.何じゃこりゃ.

こういう「体験」がきっかけで自動車通勤に切り替える人とか,バスに乗るということを移動の選択肢から外す人が少なからずいるんだろうな.

まさに「D-スパイラル

 

地味に便利な「おおさか東線」

おおさか東線は新大阪から学研都市線の放出を経て関西本線の久宝寺まで運転されている近郊電車路線で,放出以南が2008年開業,放出以北が2019年開業である.

特急列車が走るわけでもないこの路線は…結構地味である.

数本の快速電車が走っている以外は各停ばかりで,車両も「日本国有鉄道」時代のもの.

だが,新大阪駅で新幹線に接続するほか,こまめに大阪都市圏の放射路線と交差し,乗り換えできる.地味に便利なおおさか東線.

新大阪…東海道新幹線,山陽新幹線,JR京都線,地下鉄御堂筋線,大阪空港へのバス路線,(将来は北陸新幹線,中央新幹線)
JR淡路…阪急千里線,阪急京都線,地下鉄堺筋線
JR野江…京阪本線
鴫野…地下鉄今里筋線,学研都市線(京橋方面)
放出…学研都市線(長尾方面)
高井田中央…地下鉄中央線
JR河内永和…近鉄奈良線
JR俊徳道…近鉄大阪線
久宝寺…関西本線

他路線に接続しない駅のほうが少ない.大阪駅や京橋駅のような大きなターミナルは新大阪だけだが,この路線が開通するまでは大阪環状線や地下鉄を介してでないと乗り継げなかった路線をこまめに繋いでおり,実際に乗車してみると客は頻繁に入れ替わる.

大阪環状線に乗ると客が頻繁に入れ替わる様子が観察できるが,この「おおさか東線」も同じような使われ方になっており,将来的には沿線の状況が大きく変わってくるかも.

いずれ,「うめきた」にも乗り入れるかも.その頃には,関西本線の快速電車が湊町行きではなく「新大阪」「うめきた」行きになっているかも.

さらには,おおさか東線 −(新大阪,うめきた)− なにわ筋線 −(JR難波,天王寺)− 関西本線 − おおさか東線,という大阪第二環状線が形成されるようになるかも.

 

乗ってみた(そっ,そこにバス路線ですか)

違和感ありまくりの新設バス路線に乗ってみた.大阪(伊丹)空港→津田駅である.

まずは,伊丹空港のバス乗り場.

大阪近辺在住の人なら誰でも知っているような行き先ばかりが並んでいる中,一つだけ仲間はずれがありまーす,状態.たぶん多くの人は「それ,どこ?」だと思う.

ちゃんと頭上の看板にも書かれている.

1日8往復しかないので,どの航空便でも必ず便利というわけではなさそう.当面は「お試し」期間か?

片道1200円なので決して安いわけではないが,重い荷物をゴロゴロ転がしながらモノレール,阪急を乗り継いで,梅田のターミナル間を歩いて移動し,環状線と学研都市線を京橋駅で乗り継ぐくらいならこの直行バスの方が遙かに楽かも.

特に京橋駅は(エレベータ工事中だが)環状線外回りと学研都市線長尾方面のバリアフリー経路は悪名が高い(訴訟が起きかけた).

金曜日の最終便に乗ったが,乗客は10名あまり.ほとんどがスーツケースゴロゴロ状態.

バスは定刻に発車し,中国自動車道→名神高速京都方面と進み,高速道路上の名神高槻バス停で1名降車.そのまま京都方向に走り,大山崎JCTから京滋バイパスを東進,久御山JCTから第二京阪に入り,京田辺PA内にある高速京田辺バス停へ.ここで乗客の大半が降りた.

京田辺では床下の荷物は地上職員が取り扱い,扱い終了とともに職員はバスに便乗して終点津田駅へ.折り返し便の荷物扱いや切符販売などをしている模様.終点まで乗り通したのは3人.

高速京田辺からは枚方東ICで下道に降りるのかと思いきやそのまま交野北ICまで高速道路を走り,交野から津田駅に引き返すという何とも複雑な経路.京田辺PAに立ち寄ってしまうと枚方東ICでは降りられないわけやね.

時刻表上は61分で走ることになっているが,大阪空港を出発するとあとは客を降ろすばかりなので,終点には10分ほど早着.まぁ,誰も文句言うはずもなく,運転終了.

…ということで,津田駅周辺住民向けと言うよりは,松井山手周辺住民向けというのが実態のバス路線の模様.