新交通システム」タグアーカイブ

BARTの沈埋トンネル

サンフランシスコに走っている「BART」という鉄道,例の券売機の使いにくい鉄道である.

DSCN3315

比較的高速運転しているが,第三軌条式の地下鉄である.

DSCN3325

この高速地下鉄BARTは,サンフランシスコ市街だけでなく,海峡を渡って対岸の郊外まで続いている.地図上は下の写真の長い橋に沿って敷設されているが,BART用の橋はなく,海底トンネルで結ばれている.そんなわけで,海底トンネル通過中は数分間トンネルを走り続ける.(写真左の陸は島であり,対岸は奥の方に小さく写っている建物のあたりである.)

DSCN0001

場所はここですね.大きな地図はこちら.

この海底トンネル,日本の青函トンネルや関門トンネルとは違い,沈埋トンネルである.結構長いトンネルでも沈埋トンネルで建設できるということのようで,日本でももっと活用されてもいいのではと思う.(長大トンネルは無理だけど)

世界最難関級の券売機

サンフランシスコの空港から市街まではBARTという鉄道に乗る.

DSCN3159

この鉄道の券売機がくせ者であった.見かけは特に異常なし.

DSCN3153

画面どアップ.

DSCN3151

どやって使うんだ? とりあえず日本式に現金を入れてみるが,中心街までの切符はどうやったら発券されるのかわからない.どうやらテンキーで額を入力する方式のようではある.しかし,なかなか思うような切符を発券できるような状態にならない.試行錯誤してわかったその結果は…

…テンキーで「おつりの額を入力する」であった.

上の画面をよく見ると,「Max Change $4.95(=おつりは$4.95まで)」と書いてある.こんなところにヒントがあるとは.

わかんねぇよ.

#さらにその後,切符はチャージ式であることがわかった.

空港の乗り物(SFO編)

SFO,つまりサンフランシスコの空港である.

大きな空港に行くと空港内のターミナル間や駐車場棟へと変な乗り物が走っていることがある.このサイトではCDG-VALを紹介したことがあるが,日本でも成田とか関空にある.成田は止めちゃったんだったっけ?

DSCN3144 DSCN3145

ここのは中央案内方式のようである.

DSCN3142 DSCN3139
DSCN3137 DSCN3133

羽田は,国際線乗り継ぎだと空港構内をバスで延々連れ回されるが,将来的にはこういう乗り物も必要かも.

沖縄の鉄軌道

沖縄の鉄軌道というと,これかな.ゆいレールこと沖縄都市モノレール.那覇空港から市街まで.長距離走っているような錯覚になるが,曲がりくねっているので,実は直線距離は大した距離ではなかったりする.

DSCN4368

終点の首里駅のその先の本当の終点.延伸計画があるが,まだ実施に移ったという話は聞かない.

DSCN4451

元々,沖縄にはいくつかの軽便鉄道があったが,無くなってしまった.モノレールを延伸したり,通常の鉄道として建設したり,路面電車として建設したりetc…幾つも案があるのだが,まだ実現していない.

DSCN4552沖縄以外の場合では,都市交通整備をする際には(補助金システムは様々あるが)概ね半分程度が公費から出てくるようになっている.一方,沖縄については地元負担が10%程度で済むような補助金システムになっているようで,実は建設のハードルはかなり低い.

沖縄というと小さな島のように思う人も多いかもしれないが,実際に行ってみると細長いので結構な距離がある.現在は自家用車かバスに頼らざるをえないので,特に那覇都市圏で渋滞にかかってしまうことも少なくない.便利な交通システムの沖縄への導入はいつかな?

ちょっと前にはもうすぐ実現しそう…なんて聞いたような気がするが,今はいろいろ揉めてるのでもうちょっと先になりそうかな.

名古屋都市圏は変わった乗り物の宝庫か?

名古屋都市圏は自動車社会であるとともに,公共交通に関しては変わった乗り物の宝庫である.

  1. ピーチライナー
  2. 基幹バスシステム
  3. ガイドウェイバス
  4. 連節バス(長〜いバス)
  5. リニモ

これだけいろいろあるのは,好意的解釈をするなら自動車社会に対して様々な対抗策を試してきた結果であるといえよう.悪意ある解釈をするなら,結構行き当たりばったり,都市交通システムの実験場と化しているといえよう.

今回は「リニモ」である.元々は日本航空が空港アクセス用交通機関としてHSSTの名前で開発していたものである.今や航空会社がわざわざ交通機関を開発するような力量はないが,当時はそれだけの力があり,そして航空路の泣き所が空港アクセスであることをよく知っていたともいえる.

低速タイプと高速タイプがあったかと思うが,リニモとして実用化されたのは前者である.

DSCN3808

JRマグレブが超電導磁石による反発式であるのに対し,HSSTは常電導磁石による吸引式である.上海リニアと基本的には同じ方式であり,軌道が鉄製である.

DSCN3817

勾配には強いと言えば強いが,鉄輪式リニアも勾配には強く,特段アドバンテージがあるかというと,そうでもなかったかも.

DSCN3821

機械ものとしては面白いが,汎用性があるわけではなく,結局ここだけ.

DSCN3831

地下鉄東山線延ばしておいた方が喜ばれたかも

DSCN3834

海外にも売れたという話は聞かないので,万博の展示物以上の何物でもなかったか.

懐かしのピーチライナー

古いフォルダをほじくっていたら,ピーチライナーの写真が出てきたので見てみよう.

まずは,小牧駅.列車の運転席が片側にしかないタイプなので,折り返しはループ線をぐるっと回る.しかし,土地の狭い日本では残念ながらインフラのコストアップの要因でもある.

DSCN3626小牧駅の発車時刻表.減便のためだろうか,中途半端な運行間隔で,覚えにくい上に実際にも使いにくい.

DSCN3633

一見電車風の,ゴムタイヤの新交通システム.この手の不思議な乗り物,最近は導入が減ったが,お役人様が好き好んで導入したがる.背景には補助金システムが関係している.高架式のレールタイプの軽量鉄道システム(ドックランズ・ライト・レールのようなシステム)の方がいいと思うのだが,補助金が対応していないのが悲しいところ.

DSCN3648

ここは中央案内式.開発メーカーによって互換性のない様々なシステムが存在しており,規格化すればコストダウンしやすく,普及させやすい上に後々の維持コストも下がったのになと思うが,今さら,である.

DSCN3662

終点の桃花台は高速道路沿いであり,クルマ好きのナゴヤンがわざわざ電車を乗り継いで名古屋都心に行くかというと,怪しいところ.ナゴヤンは,栄であってもクルマで乗り付けたがる(←日々の観察結果である).

DSCN3692

終点もループ付.ここは延伸対応の準備工事済み.もちろん,使われず仕舞いで廃線.

DSCN3699

車両は日本車輌製の模様.

DSCN3707

でも,車内には三菱重工のプレートが…

DSCN3736

もうちょっと汎用性のあるシステム作ろうよ.利益を囲い込んでいるつもりかもしれないけれど,結局普及しないんだよね.普及しないから儲けにならない.

DSCN3756

 

スカイレールというナゾの乗り物

広島に行くと,「スカイレール」というナゾの乗り物がある.

DSCN0011

DSCN0013

モノレールとロープウェイの相の子.

DSCN0016

DSCN0021

急勾配も何のその,全線立体交差.

DSCN0029

動力は車両には無く,循環するケーブルをつかんで走行.DSCN0051

DSCN0036

ゴンドラはロープウェイそのもの.

DSCN0049・・・鋼材多くてコスト高そう.これ,循環式のロープウェイじゃいかんのか?
(#風に強い,が売り文句の模様.)

札幌市営地下鉄

札幌市営地下鉄はゴムタイヤ式なので急加速急停止.速い.
DSCN1166
地下鉄,というよりは新交通システムの地下版である.タイヤ式なので,雪に降られると困る,ということで地上部分でもシェルターが付いている.
DSCN1170
建設費高そう.
DSCN1169
 
通常の鉄輪式じゃぁいかんかったのかしら.阪神電車は結構速いぞ.DSCN1180

今は無きOTSの電車

大阪港トランスポートシステム,略称OTSという鉄道があった.線路そのものは今もあるが,鉄道事業としてはOTSは事業を終えており,今は大阪市営地下鉄の一部である.
大阪南港の港湾部分の鉄道・・・大阪市営地下鉄中央線の終点だった大阪港から先,コスモスクエアまでの実質的に地下鉄の延伸部分と,コスモスクエアから中ふ頭までの実質的にニュートラムの延伸部分とがOTSの営業であった.地下鉄やニュートラムに乗ると,あともうちよっと,というところで運賃が跳ね上がり,評判の芳しくない鉄道事業者であった.
建設費を運賃で償還,という明確な枠組みの下に「受益者負担」システムを作ったのだろうが,それは役所の都合で,客の利便は考えてなかった.地下鉄延伸部分・ニュートラム延伸部分はともに1997年に開業し,10年せずして市営に移管.今も線路そのものはOTSの持ち物であるが,めでたく通し運賃で乗れるようになった.
1019Rails-012
ユーザーのことを考えていなかったので消えた鉄道のお話し.まぁ,廃線になったわけではないけど.

ニュートラム

大阪にニュートラムという乗り物がある.「New Tram」つまり,路面電車のことを指すことが多い「Tram」の新バージョンという意味である.もし,「New Tram」という乗り物が無かったら,LRTと呼ばれている新世代型路面電車のことを「New Tram」といってもよかったのではないかという意見もある.
DSCN0938
さて,出発進行.基本的にゴムタイヤ式の乗りものなので,進路は車輪が自動的にレールをなぞるのではなくて別の案内装置によって決められる.ここは側方案内なので,曲がりたい方向側の側壁をたどってステアリングによって曲がる.
DSCN0942
乗り物としては,バス以上,電車未満の「中量輸送」の乗り物である.もうちょっとスピード出せないかなぁ(事故があったので,無理かな).
DSCN0944
途中,道路と一体化された構造物の部分がある.モノレール同様に,道路の一部として扱われており,整備費用も道路財源が投入されている.別の場所では港湾施設の一部だということで,港湾財源が投入されている.これを整備することで,道路渋滞が緩和されたり,港湾振興が図られるので費用投入が認められているわけである.
都市間交通でも,都市間道路の渋滞緩和や地域振興が認められるのなら,道路財源が投入されたり地域振興費用の一部がもっと認められても良さそうなものだが,今のところシブい財源であることが多い.整備新幹線の公設民営はマシな方である.
DSCN0948
港湾付近のATC附近を過ぎ・・・
DSCN0954
地下鉄中央線との接続駅であるコスモスクエア付近は地下化されている.
DSCN0956
終点.
DSCN0959