単線特殊自動閉塞

単線区間では,線路が1本しか無いというだけで無く,場所によっては保安装置が簡易なこともある.

理想は複線区間と同じような装置で,進行方向と逆方向用の信号機はすべて赤,進行方向の信号機は複線の片側と同様の働きをする,というものであり,実際にこういった区間はある.

簡易なシステムはいくつかある.例えば下の例では信号機が2つ写っており,あぁ,赤信号の1つ手前の信号だから黄色なのか,と考えてしまうが,本当の信号機は奧の赤信号だけで,手前の信号は奧の赤信号に単純に連動しているだけである.

つまり,もしも黄色信号の横を電車が通りかかってもこの黄色信号は変化せず,黄色のまま.あくまで信号は奧の赤信号だけである.

IMG_4050tc

列車がいるかどうかは,通常はレールに電流を流しておいて,車輪が左右のレールを短絡することで電気が流れて列車を感知するが,この写真のような区間では駅の付近に短い検知区間があるだけで,あとは列車の存在を直接検知できない.

駅を出発したことを検知したら,その先の区間には列車があるはず.次の駅に到着したことを検知したら,その手前の区間の列車はいなくなったはず.というものである.

列車の発着だけなら,赤外線のリモコンのようなものでも良かろう,ということで,実際にそういったさらに簡易な列車検知システムも存在する.

最近はそういう例は無いが,走行途中に列車が分離してしまって,しかも先頭の機関車がそれを知らずに次の駅まで走ってしまい,さらに,それを知らずに反対向きの列車が走るなどということがあると衝突事故になる.

あるいは区間の途中で予期せぬ列車が入ってくると,列車の存在を知らずに反対向きの列車が走ってしまい,衝突になる,というのもある.信楽高原鉄道の事故は,これに近いものだったっけ.