Web鉄道記事の精度(東洋経済編-1)

こういう記事がある

都市の道路に敷設されたレールの上を颯爽と走る路面電車。その経済性について多角的データから分析する。

情報源: 注目浴びる「路面電車」、実は非効率だった! | 鉄道最前線 | 東洋経済オンライン

ここのオンライン記事,鉄道を良く取り上げるのだが,応援しているのか足を引っ張っているのか良くわからないことが多い.

今回の記事を書いているのは,専業の「鉄道ジャーナリスト」だが,うーん,ジャーナリストを名乗るには少々不勉強な感じがしてならない.有名な人なんだけどね.

じゃぁ,記事をチェックしてみよう.(いろいろ仕事が立て込んでいるので,ちょっとずつ)

まず,1ページ目

近年になって路面電車をLRT(Light Rail Transit、低床式車両を活用した交通システム)へと転換させようとする動きも見られる。

LRTが「低床式路面電車」という認識は,10年ほど前,国土交通省があんまりLRTのことをよく理解していなかった時代に見られた記述である.低床式電車を使うことは確かに多いのだが,「LRT=低床式路面電車」ではない.

しかし、全体的な傾向としてみれば路面電車は旧態依然のままであり、21世紀の都市にふさわしい姿へと変化を遂げていない。

これは確かにそうだな.続いて「路面電車は自転車よりも遅い」という話題が続くのだが,それに関してこう書かれている.

…路面電車と同等の輸送力をもつ新交通システム(ゆりかもめなど)やモノレール、トロリーバスと比較しながら検証していこう。

LRT(ただし欧州で走っているようなものであって,富山タイプは標準よりもかなり小型)はAGTやモノレールと同等だが,旧態依然とした「路面電車」の輸送力はAGTやモノレールには及ばない.ましてや「トロリーバス」は輸送機関としては単なるバスであり,何か他の交通機関と混同して記述しているのかしら???

最初の検証項目は速達性だ。路面電車という乗り物は道路上をのんびりと進むというイメージをもつ。…新交通システムやモノレールと比べると著しく低い。

まぁ,確かに遅いが,それを以て,サブタイトルの「全国のLRT導入ムードに暗雲も」が出てくるのは意味不明である.路面電車の性能が低いから既存路面電車のLRT化が提案されているんだが,印象操作か? それとも目立てばいいという,それだけか?

(つづく)