北陸新幹線が米原回りで関西衰退?

こういう話が定期的に出てくるのは悲しいことだが,声の大きな方は発言の影響の大さを良く理解した方が良い.リップサービスは真のサービスにあらず.

線路が欲しいのか,交流が欲しいのか,果たしてどっちなんだろうか?

  • 福井新聞 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/super_expless/71951.html

40年前の計画にこだわって数万の沿線人口確保のために147万(+226万)の沿線人口を放棄するのはあり得ない.

若狭ルートを推進するのなら「若狭を経由して,京都も経由しろ」というのが正しい姿勢だろう.新幹線は航空路ではないので,起点終点だけでなく沿線の主要都市がどこなのかがその後の沿線の盛衰に大きく影響する.

無いと信じたいが,よもや「山陰新幹線」と「北陸新幹線」とを部分的に統合してやろうというような野心を抱いているのではないでしょうね.もしそうなら,そうすることで実際の整備が数十年単位で大幅に遅くなる可能性のことを熟慮すべきだ.

再度掲載.各ルートの沿線人口を下図で確認を.終点までの所要時間が10分ほど短くなるとしても沿線人口が100万人200万人という単位で減るような案はあり得ない.ルート問題を未着工区間の沿線の問題として矮小化してしまっているようだが,案の選択によっては北陸地方全体の首を絞めることになる.若狭の開発には別のプロジェクトを組み合わせるべし.

「乗り換え」に関しても,関西広域連合の調査結果を理解できていない人が多そうだが回避策は調査結果に書かれている.さらに,リニアの大阪延伸が早期実現すれば「乗り換え」は確実に不要である.

あと,誰も指摘しないが,若狭ルートで新大阪駅に対して北方から東海道山陽新幹線と直交するように入ってくると(運行管理システム接続費用は省けるかもしれないが)山陽新幹線との直通は難しくなる.だが,湖西や米原のルートで東海道山陽新幹線とスルー運転できるようにしておくと,(システム接続費用はかかるが)山陽新幹線沿線都市と乗り換え無しで結ばれる可能性がある.

航空路と違って新幹線が優れているところは,交流の多様性なんだが.わかるかな?

3routes

#1:京都も危機意識低すぎ!
#2:新幹線に関して全体の調整をできる人が不在という不幸.