パンデミックへの国内準備・続々

ついに日本でも新型肺炎の死者が出始めた.感染経路も明確では無いので,既に市中にウイルスが広まっている可能性は高いかも.

中国の公式な発表では初の死者は1月初旬.つまり,わずか1ヶ月ちょっと前だ.その後のなりふり構わぬ封鎖,隔離策を講じたにもかかわらず累計の死者数は1500人近くになった.(下の図,横軸は1/1からの日数,縦軸は死者数累計)

中国の公衆衛生の水準が…医療の水準が…封鎖方法が…などという話はあるものの,何もしないとなりふり構わない対策をしても同じような推移をたどる可能性はある.つまり,日本国内でも来月末頃には1000人以上の死者が出ている可能性があるということだ.10分の1でも100人以上死亡だ.今月末には海外諸国から「日本人の入国禁止」のお達しが出ても不思議ではない.

予防方法がインフルエンザと同様だとすると,多人数が一堂に会する機会を減らすとともに,唾液や飛沫等への接触機会の減少が必要であり,考えうるのは…

    • 学校の休校,コンサート・演劇・映画等の中止
    • 修学旅行の中止,研修会の中止
    • 講演会,集会等の中止
    • 試合や競技会の中止
      • どうしても実施するなら無観客試合
      • オリンピック等の世界大会はなおさら要注意
        • 世界中にばらまく可能性あり
    • レストラン等での店内飲食の中止(持ち帰りのみ)
      • 宴会中止,パーティー中止,花見中止?
    • テレビ会議の推奨,在宅勤務の推奨
    • 工場やオフィス等の閉鎖
    • 鉄道の「乗車制限」
      • 通勤列車1両あたり乗車数を20-30人程度に
        • 密室防止のため,空調の停止と非常換気窓の開放,長時間停車時の半ドア停止(JRWなど)
      • 特急列車1両あたり乗車数を15-20人程度に
        • 全列車全席指定席,乗車中の席移動禁止
      • 新幹線1両あたり乗車数を20-25人程度に
        • 全列車全席指定席,乗車中の席移動禁止
    • 航空便の搭乗制限
      • 定員の1/4程度を搭乗数の上限に
    • バスの「乗車制限」
      • 1両あたり10-15人程度に
      • 窓を開けたまま走って密室にしない
    • 通勤鉄道であっても乗車を予約制に
      • あるいは,個人番号の末尾2桁で制限 
        • 駅で大人数が待機しては意味が無い
        • 不要不急の移動は制限
    • マイカー通勤の推奨
      • 家族以外は相乗りしない
      • 駐車場が確保できる場合のみ
    • 「超」時差出勤
      • 勤務時間帯を広げ,職場にいる平均人数を減らす
    • 店舗への入場制限
      • 多人数が同一店舗内にとどまるのを防ぐ
    • 疎開の検討
      • 人口の一時分散で接触機会を減少

実際にどの程度計画が進んでいるかというと,例えばJR西日本では(インフルエンザを想定したものだが)業務体制についての取り決めはしているようだが,具体的に何をどうするということまでは判然としない.(JR東も同様)

相変わらずSARSよりも致死率が低いとか,豚インフルエンザの時は日本の感染率は低かっただとかを論拠に高をくくっている医療関係者が少なくないようだが,いくら日本の公衆衛生水準が高くて,医療機関の水準が高くても,医療機関の処理できる人数を患者数(あるいは患者疑い者)が上回った時点で放置せざるを得なくなるので「負け」である.

感染力は強いが持病等が無ければ軽症だから大丈夫,などと言っている医療関係者もいるが,裏を返せば軽症者がキャリアになって高齢者や持病のある人たちが多数犠牲になる可能性があると言うことだぞぉ.

だいたいやねぇ,googleで「パンデミック_鉄道」のキーワードで検索すると当サイトが最初に出てくる時点で,この国の準備態勢が残念な状態であることが証明されてしまっているぞぉ!

※(追記)2/15現在,死者数は中国外含めて1522人.三次式y = 0.0379x3 – 1.0817x2 – 0.3747x + 135.11(xは1/1を1とする日数)で近似したときのR² = 0.9999である.「中心地」から日々一定の速度で外側に拡がっていった場合,面積は距離(日数)の二乗に比例するので二次式で近似できるはず.外に拡大するとともに,中心から順に沈静化すれば面積は距離の一乗に比例するはず.だが実態は,三次式が一番合っているようなので,立体の体積が日々膨らんでいるような状態.つまり「感染の中心地」自体が増加中ということ.明日は1663人か? 死者数1000人に達するまでの時間は約1ヶ月だったが,そこから2000人になるにはわずか1週間.1万人超は3/15頃,5万人超は4/29頃,10万人超は5/28頃,オリンピック開始頃には27万人超という勢いである.
※(追記)現状程度の対策で防げると思っている人たちの頭の中身がおめでたい.大本営発表によると致死率2.5%らしいが,感染率については,WHOがいずれ世界の2/3が感染するかもとか言い始めている.日本の人口1.2億人×2/3×2.5%=200万人(太平洋戦争の戦没者数級).感染率が1/10 &致死率も1/10でも2万人が死亡するんだが(東日本大震災級).大災害が起ころうとしているのに,悠長すぎる.
※(追記)2/16現在,中国外含めて死者1668人.明日は1814人か? 死者数推移の増分(微分値)はプラス,2階微分も移動平均とるとプラス,3階微分の移動平均とると数日前からややマイナス.
※さっきTVで元政治家のコメンテータが「粗い検査でいいからさっさと検査しろ」的な発言してたが,今のところPCR検査しか方法が無いからそうしてるんじゃなかったけなぁ.(→もしかしてレントゲン撮れという意味かな.それって自覚症状があるレベルじゃないとわからないんじゃ無いかな.)
※(追記)2/17現在,中国外含めて死者1775人.明日は1950人か? いちおう増加が鈍ったが,これまでの推移でも3-4日増加したら1日減というパターンが繰り返されているので,しばらく様子見.昨夜になってようやく日本政府も重い腰をあげた感があるが,もう国内での急速拡大は防げないだろうな.来月末頃には日本でも死者数が数百〜千人くらいになっているかも.花見の話ばかり国会でしている輩は間接的に何人の人間を葬ろうとしているのだろうか?
※(追記)2/18現在,死者1873人.数式による計算値との乖離が大きくなり始めた.本当に減ってきているのかは,もうしばらく観察必要そう.そろそろ三次曲線からロジスティック曲線での近似に変更した方がいいだろうか? 明日あたりに2000人になるか,それともさらに増加がマイルドになるかで判断できそう(大本営発表が正しいという前提だが).

※(4/末追記)その後の日本の日々の発表数から考えて,中国についてはやはり数字がきれいに数式に乗りすぎだな.発表される数字がほとんど信用できないかも.