【祝】LRTで富士山登山鉄道実現か?

山梨側の麓と5合目とを結ぶ有料道路「富士スバルライン」上に、次世代型路面電車(LRT)を敷設するのが最も優位性があるとする骨子の素案が了承された。

情報源: 富士山登山鉄道構想、スバルラインにLRT敷設 素案了承  :日本経済新聞

既存の観光道路の路面に敷設しちゃうわけね.例えば,こういう場所とかも.

いちおう,LRVは8%勾配程度までは登れることにはなっているが,都市内で地平から高架へ上がる部分とか,地下線に降りる部分とかの短い距離の話で,連続勾配でも大丈夫かどうかは車両メーカーに確認した方がいいと思うけど.(箱根登山鉄道も部分的には8%勾配)

なお,登山鉄道というとスイスだが,ツェルマットからゴルナグラート山(谷向かいはマッターホルン)に登る登山鉄道はこんな感じ.

急勾配なので,明らかに水平ではない電車.明らかな急勾配.

模型ではありません.

左の山の上の建物群のあたりが終点.これ以上前に進むには,空中を走るしかないというところで終点.確か,運賃は団体割引で往復1万円くらい,個人では1.4万円くらいだと思う.
(まぁ,”入山料”込みやね.)

往路は指定列車に乗車し,復路はどの列車でもOK,途中下車もOK.かな.

話を元に戻すと,路面軌道にすればバスも走れると書いてある部分が気になる.町中の路面電車は速度が遅いので線路保守は比較的少なくてすむため,保守しにくい路面軌道でもなんとか成立する.だが,粘着式の登山鉄道の線路は保守量が多くなる可能性があるので,併用軌道にしちゃうと大変なことになるかも.

単純な構造の線路にすることをオススメします.できればラックレール式で(※1).早々に箱根登山鉄道や大井川鐵道に技術的なご相談を.

#1 ゴルナグラート鉄道は,延長約9.4kmで標高差約1485mなので,平均勾配は約16%.この富士山登山鉄道は標高差約1400mを延長約30kmで登るので,平均勾配は約5%.箱根登山鉄道は標高差約540mを15kmかけて登るので,平均勾配は4%弱,最急勾配8%.大井川鐵道井川線は平均勾配は1.5%程度だが,最急勾配が9%なので,ラックレール式.ということで,富士山登山鉄道は箱根登山鉄道よりは条件が厳しそうで,工夫すれば粘着式でもいけるかもしれないけど,ラックレールが必要になる箇所があるかも.終点近くの急カーブあたりが怪しそう.

#2「検討会」のメンバーが “偉い人” ばかりで,技術的検討大丈夫かなぁ.WGグループとかの子会議を作った方がいいんじゃないのかなぁ?

#3 急勾配に強い方式としては,鉄輪式のリニアモーター電車というのもあるけど.