日別アーカイブ: 2014年4月17日

リニア新幹線の開業日(早期開業策編)

リニア新幹線の全線開業が2045年という話は,大阪方面では「そんなもん,もう死んどるわ」という言葉を以て受け止められているが,早期開業に向けていろいろと策が無いではない.
鉄道会社は,リニアを含めて新幹線鉄道の技術とノウハウを海外に売ることによって利益を得て,それを原資に早期開業を目指すという方針のような気配であるが,海外への技術の売り方によっては,軒先を貸して何とやらという先例が無いこともないので,例え同盟国であっても要注意である.(そんなもん,わかっとるわ,という声が聞こえてきそうではある…)
さて,リニア新幹線がなかなか全線開業しない理由はこれまでに何度も書いたが,最大の理由は資金である.金さえ有れば2027年に全線同時開業できる件については,当の鉄道会社トップも認めており,利子のかからない資金があるなら出来る(ただし,段取りしていないので4-5年遅れ見込み)という表明はなされている.
じゃぁ,どうやったら早期開業できるか,放談してみよう.あくまで,放談である.いちいちピリピリしないでね.
まず頭に入れておく基礎条件は以下のとおり.基本的には鉄道会社の利益が出やすくなる条件.

  • 工期が短く,工事費支出から完成後利益を生み出すまでの期間が短いこと
  • 借金するなら利子率が低いこと,ゼロならなおよろし
  • 工事延長が短いこと.つまり,工費が安く,所要時間が短いので競争力があり,運行経費が安い
  • 沿線人口が多く他路線との接続がよいこと.つまり,安定して集客できる
  • 乗換が少ないネットワークで,実質的な利便性が高いこと.つまり,集客力が大きい
  • リニア完成後の東海道新幹線がお荷物になる可能性があるので,出来れば東海道新幹線を上下分離するなどして,経営の主導権を握りながらも負荷を軽くできること

これに基づいて,放談すると数案あり…

  1. リニア名古屋−大阪間については,鉄道会社とは別の主体(国や沿線,民間資金が出資する特殊株式会社?)が借金して作って,全線開業後にこの会社の株式を鉄道会社が徐々に買い取り,2045年には買い取り完了.資金繰りが厳しければ,買取のペースを遅らせればよろし.
  2.  名古屋−大阪間を国が3兆円ほどで建設して2027年完成,東京−名古屋間は予定通り鉄道会社が建設して2027年に完成,全線一括開業.一方,リニア全線開業と同時に,東海道新幹線約500kmを上下分離して,整備新幹線と同じような枠組みにして,下部分については国が3兆円(整備新幹線の建設費はkmあたり60億くらいなので,整備新幹線なみ…500km×60億/km=3兆円)で買い取り,鉄道会社がこの3兆円をつかって即座に名古屋−大阪間のリニアを買い取る.東海道新幹線は運営する鉄道会社の利益が出る範囲で(つまり整備新幹線的な)リース料を支払い,営業を続ける.もしも大規模災害を受けた場合は,国の設備なので,国費で復旧.
  3. 東海道新幹線の名古屋-大阪間を国に有償譲渡(約180km×60億/km=約1兆円)して東海道新幹線はリース払いで運行.入手した1兆円でリニア名古屋以西建設促進.工期が18年(=2045-2027)から,単純計算12年になる.国は名古屋-大阪間を北陸新幹線や北陸中京新幹線の一部としてネットワークに組み入れる.
  4. 1案と3案の合わせ技.1案の枠組みの下で,3案を実行し,入手した1兆円の資金で特殊会社の株式を最初から1/3握っておく.全線開業は2027年.

「リニア開業後の東海道新幹線がお荷物」という部分については,北陸方面からの新幹線を積極的に東海道新幹線に誘致して線路使用料を稼ぐ策も有効なので,実は北陸新幹線のルート問題も無関係では無かったりする.北陸新幹線の建設費を節約した分,何らかの形で国の関与分として投入してもらうという考え方もあるだろう.
さて,これら案の最大の難点は,めんどくさい段取りを誰(あるいはどの部門)が主導してするか,だろうな.何せ,ほとんどアイデアの無い部門が担当セクションだったりするからなぁ…
まぁ現実には,利子補給とか,借金の際の政府の裏書きとか,その辺かなぁ…
他にも案あるけど.